プロジェクト Y vol.4 3月のはじめ | |
「やっさん、FM進んでますか?」 後輩の一言に横澤はぴくりとした。 曲決め、振り付け、配置、衣装の用意、そしてメンバー選出・・・ やるべきことは依然山積みのままだが、初試合である春東部の日は確実に近付いて来る。 それにも増して容赦なく迫り来るエントリーシートの締め切り。 本当に出場できるのだろうかという不安が 諦念にかわってゆくのを横澤は感じていた。 あんなにFMに熱くなっていた日々が、今では遠い昔のことのようだった。 ブランデーに満たされて酩酊の中、横澤はつぶやく。 やってられねえよ・・・ 窓の外ではもう3月であるというのに寒風が吹き荒れる。春はまだまだ遠い。 そんなある日− つづく |