プロジェクト Y vol.5 決意の時
一冊のキャンパスノート。
「FMノート 横澤泰志」と題されたこのノートには、
彼がFM技術部長に就いた時からのフォーメーションに対する熱い思いが綴られている。
一部校昇格を目指して・・。目標は夏の全日本戦出場・・・。
読み返すうちに熱いものがこみ上げてきた。
このままでは、いけない。

足型、振り付け、配置を考えた。
3月12日。学校の校庭にて、初めて動きや配置などの打ち合わせを行った。
14日からの強化練習会ではFMに使うフィガーの講習を行う。
また、最終日には前期FMチームのメンバー16名を発表。
19日に行われたOB会においては、FMに対して
多くの驚嘆と激励の言葉が寄せられた。

部員のFMに対する姿勢も、変化してきた。
メンバー公募に進んで名乗りを上げる上級生、足型を必死に覚える下級生。
皆の瞳は新しい取り組みに対する好奇心に輝いていた。
プロジェクトは確実に進行している。
忙しい合間をぬっての活動だが、横澤は充実感に満ち溢れていた。
しかし桜の花が開く頃、誰も予想し得なかった悲しい終末を迎えることになろうとは、
この時の横澤はまだ知る由もなかった・・・

to be continued


vol.1 横澤の苦悩 vol.2 曲を決めろ! vol.3 宴のあと vol.4 3月のはじめ